Makiko's Art&Illustration blog

美術館に行ったり、イラストを描いたり、本を読んだり・・・いろいろ書くと思います

Kawaii 日本美術 ―若冲・栖鳳・松園から熊谷守一まで― (2014.02.25)

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日常でもよく耳にする「かわいい」という言葉。今や海外にまで広がり、日本から発信される「Kawaii」文化に注目が集まっています。さかのぼれば、平安時代に著された『枕草子』には「うつくしきもの(=かわいいもの)」として稚児や雀の子などが挙げられており、小さいものや幼いもの、未完成なものの愛らしさ、儚さを「かわいい」とめでる文化が、古くから続いてきたことがわかります。

本展では、文学の世界だけでなく美術の世界でも、時代を超えて人々の心を捉えてきた「かわいさ」に注目します。とりわけ、無邪気な仕草や表情が微笑ましい子ども、身近な存在として馴染み深い犬や猫をはじめとする動物、鳥、虫などの生きものを対象とした作品には、「かわいい!」と思わず声を上げたくなるような表現が多く見出せます。室町時代の《藤袋草子絵巻》■(サントリー美術館)では、子ども向けの絵本を思わせる素朴な描写によって猿を擬人化して描き、江戸時代の伊藤若冲は、枡目描きの技法で愛嬌たっぷりの動物尽くしの屏風《樹花鳥獣図屏風》○(静岡県立美術館)を制作しました。また、近代日本画においては、温かいまなざしで小さな命を見つめた竹内栖鳳《みゝづく》、折紙で遊ぶあどけない少女の姿を描いた上村松園《折鶴》(いずれも山種美術館)など、自然、あるいは日常に見られる生きものや子どもの愛らしい瞬間を捉えようとする意識が窺えます。さらに、熊谷守一の洋画や谷内六郎の挿絵原画に表されたほのぼのとした「ゆるさ」もまた、現代人にとっての「Kawaii」という感覚に通じるものでしょう。本展では、中世から現代までの絵画ほか、乙女心をつかむ小さな化粧道具などの作品を幅広くご紹介いたします。外見のかわいさだけでなく、シンプルな線、カラフルな色彩、ユーモラスな表現に潜む「Kawaii」を、日本美術を通して紐解く展覧会です。


Kawaii 日本美術 ―若冲・栖鳳・松園から熊谷守一まで―


あまり日本美術には馴染みがなかったけど、
「洛中洛外図」を見てからどハマりし・・・
しかも今回は「かわいい」がテーマだったので、
行くしかないでしょ!!今でしょ!!!
・・・という謎テンションでした。



あまり深く考えずに、
「かわいい、いとおしい」ものがたくさん。
子ども、動物、ちょっとユニークなものまで
幅広くて、見ていて全然飽きない!!
そして、細部まで描かれているのと
絶妙な画面の余白が、また趣があって良かった。
小林古径の「童女」が気に入った。
動物は、うさぎとひよこがフワフワでかわいかったのと、
お伽草子の「藤袋草子絵巻」が印象に残った。
サルが本当に人間っぽくて面白かった。



山種美術館は初めてだったけど、
作品選びが女性目線なので
ホントにかわいくて楽しかった。
図録を買ったら、中身もかわいくて
大満足です!!:-)♪

日本伝統工芸展60回記念 人間国宝展 (2014.02.04)

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生活の中で用いられる器や衣服、道具に美を求める工芸。日本では古くから、陶芸・染織・漆芸・金工・木竹工・人形などの工芸が発達し、その芸術性は今日においても高く評価されています。
人間国宝」(重要無形文化財の保持者)は、現代にも続く伝統の「わざ」の継承者であると同時に、日本が誇る工芸の発展に尽くし、日本工芸史に残る作品を生み出してきた功労者といえるでしょう。この展覧会では、国宝・重要文化財など歴史的に評価されてきた古典的な工芸と、現代の人間国宝の作品を一堂に集め、日本が誇る工芸の「わざ」の美をご覧いただきます。
本展は、歴代人間国宝104人の名品を「古典への畏敬と挑戦」、「現代を生きる工芸を目指して」、「広がる伝統の可能性」という3つのテーマで紹介します。さらに、国宝や重要文化財を含む古美術の名品を向き合わせて展示するコーナーも設けました。伝統と現代とのつながりを見る、これまでにない画期的な展覧会となります。



東京国立博物館 - 展示 日本考古・特別展(平成館) 日本伝統工芸展60回記念「人間国宝展―生み出された美、伝えゆくわざ―」


クリーブランド美術館展を見た後、
引き続き人間国宝展へ。。。


人間国宝重要無形文化財
指定されている方々の作品で、
まさに日本の「わざ」の最高峰が集結☆


この展示では陶芸、染織、漆芸、
金工、木竹工、人形の
ジャンルを扱っています。
人間国宝の作品と、古典作品を
一緒に並べているから、
見比べるのも面白かった。;-)
「わざ」を引用しつつ、新しい時代へ
受け継がれているのがよく解る。。。


中でも興味がわいたのは、
日本刀、染織、漆芸の展示。
日本刀はあまりよく
解ってはいないのだけど、
刀の研ぎ澄まされた曲線の美しさに
ただ見とれてしまった。


着物や漆塗りの作品は
やっぱりキレイだし、
一つ一つ細かく作られていて、
日本独特の繊細さがあった。
綴帯「友愛」や
小川紙漉村文様着物が
特に良かった。:-)


あと、最後には伝統的な技術を
現代のデザインに落とし込んでいる作品が
たくさんあって、これも良かった。
「耀彩壺 恒河」のグラデーションは
とってもキレイだった。
それと「竹華器 怒濤」は
波の曲線を竹の器にしていて
とってもダイナミックな感じ。



なんだか思ったよりも
濃い内容で面白かった!!

クリーブランド美術館展 名画でたどる日本の美 (2014.02.04)

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上野で日本美術を堪能してきました!!\(^o^)/
「日本美術の祭典」と銘打って、
東京国立博物館東京都美術館がコラボしています。

全米屈指の規模と質を誇るクリーブランド美術館の日本美術コレクションより、平安から明治に至る、選りすぐりの日本絵画40件余に、中国や西洋絵画の優品を加えた総数約50件を紹介します。
本展は、仏画に描かれた神仏や肖像画の人物などの人体表現、咲き誇る花々や鳥などの花鳥画、名所や胸中の理想の情景を描いた山水画、そして人と自然が融けあうように表わされる物語絵画の4つのテーマで構成します。日本の絵画のなかで、人や自然の姿が時代ごとにどのように描かれてきたかを、平安から鎌倉、室町、江戸、明治時代までの名品と、雪村周継( 生没年不詳)、渡辺始興(1683~1755)、深江蘆舟(1699~1757)、曽我蕭白(1730~1781)、河鍋暁斎(1831~1889)など人気絵師の作品から概観し、日本美術の流れとその魅力に迫ります。



東京国立博物館 - 展示 日本考古・特別展(平成館) 「クリーブランド美術館展─名画でたどる日本の美」


京都展を見て以来、日本美術にも
じわじわと興味がわいてきています。
クリーブランド美術館のコレクションと
人間国宝の作品や日本画
こんなにいっぺんに見られる機会は
あまりない気がします。



クリーブランドのコレクションは
GHQの美術顧問を務め、
東洋美術の研究者として名高い
シャーマン・リーが収集したそうです。

クリーブランド美術館 (Cleveland Museum of Art) は、アメリカ合衆国オハイオ州クリーブランド市にある全米有数の規模の総合美術館。クリーブランド市東部の文教地区ユニバーシティ・サークルにあり、収蔵点数は70,000点、展示室の数は70を数える。

クリーブランド美術館 - Wikipedia


構成は、「神・仏・人」、「花鳥風月」、「物語世界」、
「近代の西洋と自然」、「山水」となっていて
まとまりがあって見やすかった。
特に印象に残ったのは・・・
「燕子花(カキツバタ)図屏風」と「地獄太夫」かなぁ。
空間の使い方と作品が出している雰囲気が気に入った。:-)


「雷神図屏風」も迫力があってよかった。
西洋のものにはない、独特?の色使いもあって面白い。
まだまだ日本美術は初心者なので、
今後もいろいろ見たいなぁ~♪

吉岡徳仁 クリスタライズ/東京アートミーティング うさぎスマッシュ (2014.01.13)

東京都現代美術館へ行ってきました。



まずは《クリスタライズ》から。。。

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吉岡徳仁(1967年生まれ) は、アート、デザイン、建築など幅広い領域において自由な着想と実験的な創作から生まれる作品により、世界に最も影響を与える創り手の一人として、国内外で高く評価されています。

本展は、大規模なインスタレーションをはじめ日本での初公開作品・新作を含むその作品世界を、初めて包括的に概観できる機会であり、常にアートの新しい手法を研究し、大胆な発想と革新的な表現によって世界に驚きを与えてきた、吉岡徳仁の過去最大規模の個展となります。

この展覧会の新作として、音楽を聴かせながら結晶化させた絵画「Swan Lake」、結晶化した薔薇の彫刻「Rose」、7つの糸から生み出される椅子「蜘蛛の糸」などを発表し、クリスタルプリズムでつくられた建築「虹の教会」やインスタレーションを含む代表作、国内初公開作品などを展示します。

本展は、「―自然から生み出される。」という言葉に込められた、吉岡の考える人間と自然の関係性とは何か、それが彼によって「Crystallize(=形を与え、結実させる)」する光景を共有し、次なる創造について考えるための貴重な契機となるでしょう。



展覧会|東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO

人が多くて大変だったんだけど、
入っていきなり真っ白な世界。
それと、無機質な感じで
一気に現実逃避・・・。


結晶がくっついた
バラの作品は偶然(?)
色が結晶まで移っていて
それが儚い雰囲気がして綺麗だった。


光の教会」では、
写真じゃうまく伝わらないけれど
キラキラして心があらわれた様。。。



そんな余韻に浸りつつ・・・
《うさぎスマッシュ》もハシゴ。


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社会がより複雑化した21世紀に入り、デザインも大きな変化を遂げています。絶え間なく消費される「新しさ」を生むデザインとは異なり、社会に対する人々の意識に変化を与えるデザインが、今より重要性を増しているといえます。本展は、そのようなデザインの実践に焦点を当て、高度に情報化された現代社会の様々な要素や出来事を取り上げ、私たちの手にとれる形にデザインして届ける国内外のデザイナー、アーティスト、建築家、21組の表現を紹介します。領域を横断して活動する彼らの表現は、私たちが生きる世界を独自の視点と方法で読み込み、時には思いがけない発想で、普段とは異なる手触りをもたらします。視覚だけでない、より総合的な身体的体験を通じて、既存の知識体系や情報伝達のあり方を問い直し、私たちがより能動的に世界と関わる方法を探るきっかけとなることを、この展覧会は目指します。
世界の捉え方が変わってしまうような驚きの体験は、うさぎを追いかけているうちに別世界に足を踏み入れてしまった不思議の国のアリスに例えることができるでしょう。うさぎは私たちをワンダーランドへ誘い、常識的な見方や固定観念に一打(スマッシュ)を与える者の象徴です。展覧会タイトル「うさぎスマッシュ」は、そのような世界に対する別の入口への誘いを意味しています。

なお、本展覧会は、共同キュレーターにデザイン史研究における第一人者の柏木博氏を、アドバイザーとして、商品デザインから子供教育番組まで多岐にわたって活動するグラフィック・デザイナーの佐藤卓氏、および最先端のテクノロジーからデザインの未来へのミッションを洞察するMITメディア・ラボ副所長の石井裕氏を迎え、歴史、現在、未来を横断する視点でつくられています。

*本展は「東京文化発信プロジェクト」事業の一環として行います。




展覧会|東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO

タイトルからして
「どんなのだろ~~??」と
ウキウキしながら中へ。



入っていきなり不思議な「迷宮の庭」を
覗き込んで頭をグルグルさせたり
中身がイチイチ濃いので面白い。



「動物に生かされている人間」とか
ちょっとブラック?なものもあり・・・。
「気づかない注射」は何コレすごい・・・!
・・・でもちょっと待てよ!
と考えさせられた。
(子供におもちゃで気づかないうちにワクチンを打つというもの。)



「においの風景」は試しにちょっと嗅いだら、
すごく臭くて涙出た。苦笑
馴染んでしまうのが怖いなぁ。
(世界の街のにおいを小瓶に収めたもの。)



最後にあった、スプツニ子!さんの
映像もかわいくて面白かった!!


Sputniko! - The Moonwalk Machine - Selena's Step/スプツニ子! 「ムーンウォーク☆マシン、セレナの一歩」 - YouTube



まさに現代の常識にスマッシュをかましていく感じが面白かった!

三菱一号館美術館 名品選2013 近代への眼差し 印象派と世紀末美術 (2014.01.03)

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ルノワール、モネら印象派。そしてルドン、トゥールーズ=ロートレック、ヴァロットン。19世紀から20世紀初頭にかけて、フランス・パリを中心に、互いに刺激し合い、影響し合った画家たち――。
この時代は、ヨーロッパの美術家たちが新しい表現を模索し、生み出していった、美術史上もっとも豊穣な時代のひとつであり、大きな変革期でもあります。 本展では、当館のコレクションの中から、その後の芸術に大きな影響を与えた29人の美術家たちが紡ぎ出した、夢と理想、自由の輝きに満ち溢れた作品群を展示します。収蔵後初公開を含む149点の選りすぐりの名品をご堪能ください。



三菱一号館美術館名品選2013 近代への眼差し 印象派と世紀末美術


2014年、アート初め!!
久しぶりの丸の内。
三菱一号館美術館は
今までに何度か訪れてはいるけれど、
西洋美術の平面コレクション、
しかも"名品"ばかりなんだから
見に行くしかないでしょ!
いつ行くか?今でしょ!!という感じ。笑



印象派のものが多いのかなー??
なんて思いつつ
見に行ったらビックリ。
版画やポスターの方が
主役っぽかった。
(ルノワールの「長い髪をした若い娘」とかもあるけど・・・)



ロートレック、ルドン、ヴァロットンetc...
こんなにたくさんあるの!?
そしてどれも見応えたっぷり・・・。
特に、ルドンのリトグラフの数々にはクギづけだった。
ちょっと不気味な感じなんだけど、それがイイ。
「グランブーケ」も巨大で色使いが大胆で
しばらくポ~~~ッと見とれてしまった。



夏には、ヴァロットンにスポットを当てて
展示するみたいなので、また楽しみ!:-)